先週の株式市場は、週前半はドイツの頑なな態度から、EU首脳会議では何も進展がないとの臆測で軟調に推移した。しかし、EU首脳会議で新たな危機対応策が打ち出されたことで、先物主導で買い戻しが進み、日経平均は9,000円台を回復した。日経平均は週ベースで208.43円の上昇。上昇は4週連続。
今週の株式市場は、リスク回避の巻き戻しと実体経済悪の綱引きで上値は限定的か。週末の対応で欧州不安は一時的に後退したが、欧州安定メカニズム(ESM)の運用及び資本注入の具体的な手順や条件はまだ不明な部分もあり、今後の紆余曲折が予想される。今週は米国の経済指標でISMと雇用統計が発表される。直近の流れから考えると、あまり良い数字は期待できないだけに、発表前には様子見ムードが強まろう。日経平均は、3月27日終値10,255円から6月4日終値8,296円の50%戻しが9,276円で、週足基準線の9,247円と共に意識される水準。
今週の日経平均の上値抵抗としては、75日移動平均線9,212円、週足基準線9,247円、日足雲上限9,375円など。下値サポートとしては、200日移動平均線8,943円、週足雲下限8,800円、日足基準線8,642円など。
今週の予想レンジ:8,750円~9,300円
更新日 2012年7月1日 株・個人投資家の喫茶店